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認知症発症後でも家族信託ができるケース|判断基準について解説

家族信託は認知症対策として有効な手段ですが、認知症発症後でも家族信託の利用は可能なのでしょうか。

この記事では、認知症と家族信託の関係、契約ができるケースとその判断基準について解説します。

家族信託とは?

家族信託とは、信託された財産から利益を受け取る人(受益者といいます)のために、信頼できる家族を受託者として自分の財産を管理・運用させる財産管理手法をいいます。

家族信託のメリットは、認知症によって判断能力が低下した場合にも、受託者である家族が本人の財産を凍結されることなく、契約内容に基づいて管理や必要な手続き(医療費の支払い、不動産の管理・売却など)を継続して行える点にあります。

これにより、本人の生活や財産を守ることができます。

認知症発症後でも家族信託ができるケースとは

原則として、認知症となり「判断能力」を失ってしまうと家族信託を利用することができません。

すなわち、委託者本人が契約内容を理解し、自分の意思で判断できる「判断能力」を有している間に締結する必要があります。

しかし、認知症と診断されたからといって、直ちに家族信託ができなくなるわけではありません。

認知症の症状の程度は人によって異なり、診断を受けていても、契約内容を理解し判断する能力が保たれているような場合には、契約時に「判断能力」があるとして、認知症発症後でも家族信託ができることがあります。

具体的な判断基準

家族信託契約における「判断能力」の有無は、医師の診断のみで機械的に判断されるものではありません。

公正証書を作成する場合は公証人、判断能力が裁判で争われる場合は裁判官などの契約の有効性を判断する立場にあるひとが、以下の判断基準を総合的に判断します。

 

  • 氏名、生年月日、住所を言えるか
  • 弁護士や司法書士、公証人からの質問に対して、適切に受け答えができるか
  • 契約内容や契約締結の目的をおおまかに理解しているか

まとめ

認知症の進行には個人差があります。

そのため、ご家族に物忘れなどの兆候が見られ、「もしかして認知症かも」と感じたときは、できるだけ早い段階で対応することが大切です。

家族信託などの手続きについては、専門知識が必要な場合がありますので、早めに家族信託に詳しい司法書士などの専門家に相談しましょう。

司法書士紹介

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東京司法書士会(6874)

司法書士 桒原 穂高 (くわはら ほだか)

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所属団体
  • 東京司法書士会(6874)(簡裁訴訟代理等関係業務認定会員)
  • NPO法人成年後見支援センターのぞみ副理事
    (親なきあと問題への対応、家族会での講演等)
経歴

親元は山間の米農家、引越しを繰返しながらいくつもの地方都市で幼少期を過ごし、大学進学を機に東京へ。司法書士として不動産を含む相続対策や老後対策、障がいを持つかたの親なきあと問題に数多く携わる。

全国様々な地域に住んだ経験から、各地域の良さや課題を見つめ、業務に取り組む。

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