公正証書遺言があるのにもめてしまうケースとその対策について
公正証書遺言とは、遺言を作成する方式の一つをいい、具体的には遺言者が公証役場へ出向くことによって、公証人とともに遺言書を作成することをいいます。
そして、この公正証書遺言はその他の遺言方式と異なり、作成に手間はかかるけれど遺言の効力が無効となったりトラブルになったりすることが少ないのが特徴とされています。
もっとも、こうした公正証書遺言でも作成後や相続発生時にもめてしまうケースが存在します。
そこで、以下ではそうしたケースや、その対策についてご説明いたします。
公正証書遺言があるのにもめてしまうケースとは?
公正証書遺言を作成したにもかかわらずトラブルが発生するケースとしては、まず遺言内容が遺留分を侵害しているものとなっている場合や、公正証書遺言に記載されていない相続財産が発見された場合などが考えられます。
また、遺言者が遺言書作成時に認知症や精神障害を患っていた場合など、遺言者に遺言能力がなかったと認められる場合もあります。
その他にも、遺言者が遺言内容を公証人に口頭で伝えていなかったり、公正証書遺言作成時に立ち会いを行う証人が未成年者や推定相続人であったことによって欠格者であったり、遺言内容が民法90条に定める公序良俗に反していたりすることによって、公正証書遺言の効力が疑われてしまうケースもあります。
遺言でもめることへの対策とは?
こうした事態に対しては、やはり前提として、司法書士などの専門家にご相談いただいたうえ、公正証書遺言を作成することが重要となります。
公証役場は、公証人という法律の知識に長けた者が確認することを通じて遺言書を作成する場ではありますが、本来的に一から遺言書の内容を考える役割を有しているわけではありません。
そのため、専門家にご相談いただき、遺言内容に不備のない公正証書遺言の作成にとりかかることが重要といえます。
また、前述のように遺言書作成時の遺言能力等が疑われることも少なくないため、遺言者自身については遺言能力について医師の診断書を取っておいたり、また証人や推定相続人については、遺言書作成前にあらかじめよく確認して置いたりすることも重要となります。
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