【司法書士が解説】不動産の生前贈与と相続、どちらが得?
■生前贈与とは
生前贈与とは、ある方がお亡くなりになる前にその方が所有している財産を贈与することをいいます。
■相続とは
相続とは、ある方がお亡くなりになった際に、その方が生前有していた権利や義務が相続人に受け継がれることをいいます。
相続の対象となる財産を「相続財産」といい、現金や預貯金に加えて、土地や借金、知的財産権もこれに含まれます。
■生前贈与・相続それぞれの場合にかかる税金
⑴生前贈与
生前贈与の場合、相続時精算課税が課される受け取り方と暦年課税が課される受け取り方の2種類があります。
相続時精算課税は60歳以上の親や祖父母から20歳以上の子供や孫に贈与する場合に選択することができ、この場合、受取金額の合計が2500万円を超えるまでは贈与税が課されないこととなります。
受取金額の合計が2500万円を超える場合には、一律に20%課税されます。
これに対して暦年課税は、受贈者が1年間に受け取った財産の総額が110万円以上となった場合に、その超過分に対してその額に応じて贈与税が課税されるものです。
相続時精算課税が選択されなかった場合は自動的に暦年課税で処理されることとなります。
⑵相続
相続の場合には、相続税が課されることとなります。
■不動産の生前贈与と相続、どちらが得?
不動産を譲り受ける場合に関係する税金としては、登録免許税と不動産取得税の2種類があります。このうち、不動産取得税は相続の場合には課税されません。
具体的な税率は、生前贈与の場合、登録免許税が2%、不動産取得税が1.5~4%となり、相続の場合、登録免許税が0.4%となります。
また、贈与税は相続税よりも税率が高く、生前贈与の課税対象となる場合には、生前贈与ではなくは相続を選択する方がお得となるのが原則です。
もっとも、個別事情によっては生前贈与の方がお得となる場合もあるため、財産の処分について検討する場合には一度司法書士をはじめとした専門家にご相談されることをおすすめいたします。
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東京司法書士会(6874)
司法書士 桒原 穂高 (くわはら ほだか)
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親元は山間の米農家、引越しを繰返しながらいくつもの地方都市で幼少期を過ごし、大学進学を機に東京へ。司法書士として不動産を含む相続対策や老後対策、障がいを持つかたの親なきあと問題に数多く携わる。 全国様々な地域に住んだ経験から、各地域の良さや課題を見つめ、業務に取り組む。 |
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